月一の雪道ならチェーンで十分?タイヤチェーンの種類とメリットデメリット

スタッドレスタイヤや、オールシーズンタイヤが欲しいけど、普段は夏用タイヤで十分だし、スキーやスノーボードに行くときだけしか圧雪、アイスバーンの道路を走らない方に特にお勧めしたいタイヤチェーンですが、一言にタイヤチェーンと言っても色々な種類やメリット、デメリットがあります。

タイヤチェーンの種類

タイヤチェーンには大きく分類して金属チェーン、非金属チェーン、布製カバー型があり、それぞれのタイヤチェーンにメリット、デメリットがあります。また、厳密に言えばタイヤチェーンではありませんが、スプレータイプのタイヤに吹きかけて使うものもあります。

タイヤチェーンのメリットデメリット

チェーンのメリット

タイヤチェーンのメリットはなんといってもコストにあります。スタッドレスタイヤやオールシーズンタイヤを購入するとなると少なくとも数万円のコストになります。またアルミホイールも準備するとなるとさらにコストがかかります。

一方タイヤチェーンは種類にもよりますが、一万円程度から購入することができます。また、サイズが合えば簡単に複数の車で使いまわしすることもできるので、今日はセカンドカーにチェーンを乗せ換えてスキー場に行くなどという使い方もできます。

さらにスタッドレスタイヤを所有されている方は自宅などにタイヤの保管場所が必要になりますが、タイヤチェーンはあまり保管場所を取りません。またタイヤチェーンの重さは金属で普通乗車用のものであれば一台分で10kg程度で、非金属になると金属チェーンの半分くらいの重量で一人で簡単に持ち運びできるので女性にも安心です。

また、あまり経験が無い方が多いかもしれませんが、高速道路などの全車両チェーン規制の場合はスタッドレスタイヤやオールシーズンタイヤであってもチェーンを装着しないと走行できませんので冬用のタイヤを持っている方でもタイヤチェーンを購入して車に積んでおくと万が一の場合は安心できます。但し、布製タイヤチェーンは非常に曖昧な位置づけの為、チェーン規制の場合は走行できない可能性がありますので注意が必要です。

チェーンのデメリット

タイヤチェーンのデメリットはいくつかあります。

1つ目はあまり速い速度には耐えられないということです。非金属のタイヤチェーンで50km/h以下、金属のタイヤチェーンで30km/hで走行しないと遠心力などでタイヤチェーンが破損するばかりか、タイヤハウス内の部品を傷つけてしまい、最悪車も故障してしまう可能性があります。スタッドレスタイヤやオールシーズンタイヤであれば100km/hを出してもタイヤが破損することは、タイヤのひび割れ、劣化、空気圧等、取り扱いのミスが無い限り、ありません。

2つ目は脱着に手間がかかることです。通常タイヤチェーンは全車両チェーン規制の場所もしくは雪道やアイスバーン状態の場合にチェーンを装着して、それ以外の雪やアイスバーンの無い舗装路の場合は何れのタイヤチェーンも摩耗や亀裂が入ったりして、そのまま走行するとチェーンが切れてしまうので外さなくてはなりません。

3つ目は騒音と振動です。タイヤチェーンは構造上どうしても振動と騒音が大きくなりがちです。下記の動画ではノーマルタイヤとタイヤチェーンの騒音と振動の様子がよくわかります。

金属チェーンの特徴

タイヤチェーンで一番メジャーだと言える金属チェーンは大きく分けてはしご型と亀甲型のものがあります。圧雪路やアイスバーンに強く、凍った上り坂でも安心して上り下りすることができます。保管も非金属チェーンより重いですが、場所を取らないのが特徴です。また、非金属等のチェーンより安くてお求めやすいというのもメリットです。

さらに金属製チェーンははしご型と亀甲型があり、はしご型のタイヤチェーンは特に坂道の登板能力が優れており、亀甲型のタイヤチェーンは横滑りに強く、亀甲型より振動に優れており、乗り心地が良いのが特徴です。デメリットとしては圧雪、アイスバーンではない普通の舗装路を走行するとチェーンが切れやすいこと、非金属チェーンよりも振動、騒音が大きいのがデメリットとして挙げられます。

非金属チェーンの特徴

鉄などの金属ではなくウレタンやゴム等の素材を使用している非金属チェーンの最大の特徴は耐久性が高いことです。数年前までは金属製チェーンの方が耐久性が高かったのですが、近年では非金属チェーンの方が耐久性が高いものが多いです。特にJASAマークのついている非金属チェーンは実写走行試験で耐久性が保証されているので特にお勧めです。

また、金属チェーンより振動、騒音が少ないのがメリットですので運転しやすく、同乗者にも不満が出にくいはずです。また速度も50km/hまで耐えられるものが多いので、金属チェーンよりも優れています。デメリットとしては金属チェーンよりも圧雪やアイスバーンの道路では若干性能が劣ります(滑りやすい)。他にも金属製のチェーンよりも保管時にかさばってしまうというデメリットもあります。

布製カバー型チェーンの特徴

こちらの製品は正確にはタイヤチェーンとは言えないかもしれませんがいざという時にタイヤチェーンの代わりに使うことができます。有名なのはオートソック等で、特徴としては簡単に装着することができることです。方法としてはタイヤの上から被せて調整するだけなので、初めての方でも苦労せずに装着することができます。特にチェーンを装着するシチュエーションとしては圧雪やアイスバーンの時に行うのが殆どなのでこれは大きなメリットです。また、非常に軽く、保管場所もあまりとらないのでトランクの狭い場所にも置くことができます。そして、カバー装着時の速度制限も50km/hまで耐えられるものが多いのでこちらもメリットです。さらに振動、騒音が少ないのもメリットです。

デメリットとしては耐久性が他のチェーンよりも低いことが挙げられます。また、舗装路を走るとすぐに破損してしまうので、路面状況に合わせて着脱を繰り返さなくてはいけないのもデメリットです。そして最大のデメリットが全車両チェーン規制の場合はチェーン扱いにならない場合が多いので(布製チェーンについて明確な規定がないため、扱いがあいまい)、高速道路などを走行できないと考えておいて間違いないです。

しかし、オートソックASK645がアマゾンで9000円程度と価格が他のチェーンと比べて安く、かさばらない為、緊急用に車に積んでおくという選択肢も有りです。

金属チェーン、非金属チェーンどっちを買えばいいの?

価格もそれなりに安く、圧雪・アイスバーンに対する性能であれば、金属チェーンの亀甲型の製品が一番高いと言えます。しかし、メンテナンスが非金属チェーンに比べて面倒で、乗り心地や安定性が悪いのでその点は非金属チェーンに分があります。

後は高速道路を走行するかどうか?チェーンの装着に慣れているかどうかで選ぶと良いと思います。

タイヤチェーンを買ったら練習を!

タイヤチェーンを買ったら、自宅の駐車場で一度、着脱の練習をすることを推奨します。理由は慣れてないとチェーンの装着に手間取るからです。実際にチェーンを使う機会になるとわかると思いますが、外が寒くて路面状況も悪いため、装着に手間取るはずです。