これって故障?後タイヤより前タイヤの方が減りが早い理由

タイヤの日常点検をしてみたら前輪のタイヤが後輪のタイヤより減りが前輪より早いということは多々あります。決して車が故障しているわけではなく、自動車の構造が要因になっています。なぜ、前輪のタイヤの方が減りが早いのでしょうか?理由はいくつかあります。

前タイヤの方が減りが早い理由

 

前タイヤが後ろタイヤより減っているからといって車が故障しているという判断材料にはなりません。殆どの車が前タイヤの方が減りが早いのは正常な状態です。

車は前の方が重い

殆どの自動車はエンジンが運転席より前に搭載されています。その他にもデフやミッションという重い部品もフロントにあります。

特にエンジンは車の中で一番重いパーツですので結果、前の方が重くなります。

車によって違いはありますが、FF(フロントエンジンフロントドライブ)車で停止状態では60%~65%の重さが前輪にかかっています。

その為、前タイヤに掛かる負担も大きくなります。

前輪は操舵を担当している

前輪はハンドルを切ると切った方向にタイヤが向くことによって車がその方向に進みます。タイヤが車体に対して角度が付くということはそれだけ地面とタイヤの抵抗が増大するので、後輪よりタイヤの摩耗が早くなります。

極端に言えばタイヤがねじられている状態になります。

因みに、4WSやHICASなど、後輪が操舵するシステムを備えている車も存在します。

前タイヤが駆動している場合はさらに減りやすい

市販されている自家用車の多くがフロントタイヤが駆動するFFなのでタイヤに負担がかかるのでタイヤの減りが早くなります。

因みにリア駆動のFR車はFF車に比べ構造上、前後重量配分に優れている車が多く、フロントタイヤが操舵、リアタイヤが駆動と役割配分が出来ている為、丁寧に運転するとFF車より前後の摩耗の差が少なくなります。

ブレーキで前荷重になる

フロントエンジンの車は前が重いのにさらにブレーキを掛けると、さらに前輪のタイヤにかかる負担が大きくなってしまいます。

故障や整備が必要と考えられる状態

 

タイヤの減りの偏りは車の構造上ある程度仕方ないということはありますが、以下のような状態では整備や修理が必要な場合があるので確認してください。

空気圧が適正ではない場合

空気圧が指定の値より高い場合や低い場合はタイヤと地面が正しく接地されないのでタイヤの片べりの原因になります。空気圧は高くても低くてもタイヤの片減り、摩耗スピードが増加、燃費の悪化、パンクの原因になる為、定期的に確認しましょう。

ハンドルが左右どちらかにとられる

平らな直線を走っている状態でハンドルが右か左にとられる場合は、どこかのタイヤの空気圧が指定の値ではないか、アライメントが狂っている場合が多いので、調整してください。

タイヤの内側と外側で減りが違う(片減り)の場合

特に車高の高いミニバンやSUVは片減りはある程度仕方ないですが、片減りする場合はホイールアライメントが狂っている状況が考えられます。

ホイールアライメントというのは、車体に対してホイール(タイヤ)がどの様な向き(角度)で付いているかを表しているもので、キャンバー角、トー角、キャスター角などがあります。

ホイールアライメントが狂う原因は、大きな段差を乗り上げた時の衝撃、ゴム部品の劣化、インチアップ、車高調整式サスペンションやダウンサス等での車高の上げ下げで狂ってしまうので、特に車高調を取り付けた(車高を調整した)場合はホイールアライメントを調整しましょう。

ホイールアライメントはディーラーでも行ってもらえますが、測定する機械を持っている所は殆どないため、外注作業になるようです。

その為、タイヤショップやオートバックス等のカー用品店で行った方が安く作業してもらえます。

ホイールアライメント調整の価格

店舗によって様々ですが、測定と調整で\20,000前後が相場のようです。

店名 調整 備考
ジェームス \23,004
オートバックス ¥6,480~(測定のみ) ¥19,800~(スーパーオートバックス東京ベイ東雲)の価格

編摩耗しているかの確認

タイヤが編摩耗していないかを確認するために一本のタイヤでも何か所か残りの溝を確認して綺麗に摩耗しているか確認した方が良いです。

専用の工具が無くても溝ごとにスリップサインが均等に近い状態で溝が残っているか確認してください。

ABSを装着していない車で急ブレーキを掛けるとタイヤの一部分だけ異常に摩耗する場合があります(フラット・スポット)。

フラット・スポットが出来たタイヤは交換するしかありません。

タイヤは定期的にローテーションを

 

タイヤは駆動輪や、タイヤの外と内では摩耗が違うので効率よくタイヤを使用するためにはタイヤのローテーションをお勧めします。

ローテーションをすることによって長く経済的にタイヤを使用することが出来ます。

ローテーションも駆動方式によって方法が違います。