SUV・4WDオーナーの皆さんなら、普段の街乗りでの快適性を求めつつも、たまのオフロード走行や雪道でも安心して運転したいと考えるでしょう。そんなときに目を向けたいのが「オールテレーンタイヤ(A/Tタイヤ)」です。
しかし、「本当に万能なのか?」「自分の車やライフスタイルに合っているのか?」と疑問をお持ちの方も多いはず。この記事では、オールテレーンタイヤの特徴からメリット・デメリット、選び方のポイント、そして2025年最新のおすすめ商品まで徹底解説します。
目次
オールテレーンタイヤとは:その特徴と種類
A/Tタイヤの基本知識
オールテレーン(A/T)タイヤは、名前の通り「あらゆる地形(All-Terrain)」での走行を想定して設計されたタイヤです。通常の舗装路(オンロード)での快適性と走行性能を確保しながら、未舗装路(オフロード)での走破性も両立させた、いわば「万能型」のタイヤといえます。
一般的なオールテレーンタイヤには以下の特徴があります:
- 独特のトレッドパターン:大きなブロックパターンと深い溝により、未舗装路でのグリップ力を確保
- 強化されたサイドウォール:岩や障害物からタイヤを保護する頑丈な構造
- M+S(Mud+Snow)規格:多くのA/Tタイヤが雪道走行にも対応可能な設計
- 耐久性の高い素材:一般的なハイウェイタイヤより耐久性に優れた素材構成
オフロードタイヤの種類を理解する
オフロード対応タイヤには、用途や性能によって大きく4つのカテゴリーがあります:
- ハイウェイテレーン(H/T)タイヤ:
- オンロードの快適性重視
- 軽度のオフロードに対応
- 街乗りが90%以上の方向け
- オールテレーン(A/T)タイヤ:
- オンロード/オフロードのバランス型
- 多様な路面状況に対応
- 街乗り70%、オフロード30%程度の方向け
- ラギッドテレーン(R/T)タイヤ:
- A/TタイヤとM/Tタイヤの中間的性能
- よりアグレッシブなトレッドパターン
- 街乗り50%、オフロード50%程度の方向け
- マッドテレーン(M/T)タイヤ:
- 本格的なオフロード走行に特化
- 極めて高い悪路走破性
- 舗装路での快適性や燃費は犠牲
- 街乗り30%以下、オフロード70%以上の方向け
オールテレーンタイヤのメリット
1. 多様な路面への対応力
オールテレーンタイヤ最大の魅力は、その汎用性にあります。舗装された一般道から、未舗装の砂利道、林道、雪道まで、多様な路面を一組のタイヤで走行できます。アウトドア派のドライバーや、状況によって多様な道を走行する方に理想的です。
2. オフロード走行性能
A/Tタイヤの太いブロックとアグレッシブなトレッドパターンは、砂、泥、小石、岩場などの未舗装路での優れたグリップ力を発揮します。特に以下のような状況で力を発揮します:
- 砂浜や砂地でのスタック(埋まり込み)防止
- 小石や岩場での耐パンク性能
- 林道などの泥濘み路面でのトラクション確保
3. 雪道での走行性能
多くのオールテレーンタイヤはM+S(Mud+Snow)規格を取得しており、軽度から中程度の積雪路面での走行が可能です。一部の製品は、より厳しい冬用タイヤ規格である「スリーピークマウンテンスノーフレーク(3PMSF)」マークを取得しているものもあり、積雪路面での制動性能が高いことが証明されています。
4. 耐久性と長寿命
オールテレーンタイヤは、一般的なハイウェイタイヤと比較して、より頑丈な構造です。特に以下の点で優れています:
- 強化されたサイドウォールによる耐パンク性
- 過酷な使用環境に耐える全体的な強度
5. 見た目のインパクト
個性的かつ力強いトレッドデザインやサイドウォールは、SUVや4WD車のドレスアップ効果が抜群です。特にホワイトレタータイプは、タイヤのサイドウォールにブランド名やモデル名が白く浮かび上がり、アメリカンテイストな力強い印象を与えます。
オールテレーンタイヤのデメリット
万能と思われるオールテレーンタイヤですが、特化型のタイヤと比較すると、いくつかのデメリットも存在します。自分の使用環境やニーズを見極めて判断することが重要です。
1. 燃費性能の低下
オールテレーンタイヤはトレッドパターンが複雑で太いブロックを持つため、一般的な低燃費タイヤと比較して転がり抵抗が大きくなり、燃費が数パーセント程度悪化する傾向があります。特に以下の要因が影響します:
- 重量の増加(同サイズの低燃費タイヤと比較して重い)
- 複雑なトレッドパターンによる転がり抵抗の増加
- 高い剛性と耐久性を実現するための素材構成
2. 走行時の騒音
大きなブロックパターンと深い溝を持つA/Tタイヤは、舗装路を走行する際に「ロードノイズ」と呼ばれる走行音が発生します。近年のモデルは技術改良により騒音低減が図られていますが、それでも通常のサマータイヤに比べると音が大きい傾向があります。
3. 乗り心地の低下
オールテレーンタイヤは剛性が高く設計されているため、細かな路面の凹凸をそのまま車内に伝えやすく、乗り心地がサマータイヤに比べて硬くなります。特に低速走行時や市街地走行において、その違いを感じやすいでしょう。
4. ウェット路面でのグリップ力
オフロード性能を重視した設計のため、雨天時の舗装路面でのグリップ力や制動距離が、純粋なオンロード用タイヤに劣る場合があります。特に以下の状況で注意が必要です:
- 急ブレーキ時の制動距離の増加
- 濡れた路面でのコーナリング性能の低下
- ハイドロプレーニング現象(水膜の上を滑る現象)への抵抗力
5. 価格の高さ
オールテレーンタイヤは一般的なハイウェイタイヤと比較して、価格が高くなる傾向があります。頑丈な構造や特殊な材料を使用するための製造コストが反映されています。
タイヤの選び方:自分に最適なA/Tタイヤを見つけるポイント
オールテレーンタイヤには様々な種類があり、自分の使用環境やニーズに合ったものを選ぶことが大切です。以下のポイントを考慮して、最適なタイヤを見つけましょう。
1. 使用環境の割合を考える
まずは自分の走行パターンを把握しましょう:
- オンロード(舗装路)走行が90%以上:低燃費タイヤの方が適している可能性が高い
- オンロード70〜90%、軽度のオフロード10〜30%:オンロード寄りのH/Tタイヤがよりおすすめ
- オンロード50〜70%、オフロード30〜50%:A/Tタイヤまたはラギッドテレーン(R/T)タイヤがよりおすすめ
- オンロード50%以下、オフロード50%以上:アグレッシブなA/TタイヤまたはM/Tタイヤがよりおすすめ
2. 重視する性能を明確にする
オールテレーンタイヤの中でも、製品によって特化している性能が異なります:
- 静粛性・乗り心地重視:オンロード性能に焦点を当てたA/Tタイヤ
- 雪道性能重視:3PMSF(スリーピークマウンテンスノーフレーク)マーク取得製品
- オフロード性能重視:より太いブロックと深い溝を持つアグレッシブなA/Tタイヤ
- 耐久性・長寿命重視:強化サイドウォールと耐摩耗性の高いトレッド配合のモデル
- 見た目重視:ホワイトレターやアグレッシブなデザインのモデル
3. 規格とサイズの確認
車両に適合するタイヤサイズと必要な規格を確認しましょう:
- 標準サイズの確認(車検証、ドア部分のステッカー、取扱説明書で確認可能)
- インチアップを検討する場合はフェンダークリアランスの確認
- 積雪地域での使用を考慮する場合はM+Sマークまたは3PMSFマークの確認
- ロードインデックス(耐荷重指数)と速度記号の確認
おすすめのオールテレーン(A/T)タイヤ
TOYOTIRE OPEN COUNTRY A/T 3
オンロードとオフロードの様々な路面状況や気象環境に配慮されたオールテレーンタイヤです。
5ピッチバリアブルパターンなどを採用することによって快適性を確保しつつワイルドなデザインを採用しています。
タイヤサイズが見つからない方にはOPEN COUNTRY A/T plusも検討することをおすすめします。
TOYOTIRE OPEN COUNTRY A/T EX
非対称のタイヤパターンを採用し、剛性の高いブロックを採用することによって高い耐久性とオフロードのコントロール性能を実現したタイヤです。
ドライとマッド路面両方とも走りたいというかたにおすすめのタイヤです。
また、全てのタイヤサイズでホワイトレターを採用しています。
DUNLOP GRANDTREK AT5
オンロードの快適性能とオフロード路面のトラクション性能を両立したタイヤです。
また、ウェット性能やロングライフ性能にも配慮されており、従来モデルのGRANDTREK AT3と比較してこれらの性能が向上しています。
【レビュー】ダンロップグラントレックAT5の評価は?雪道は走行できるのか
BF GOODRICH All-Terrain T/A KO2
本場アメリカのレースからフィードバックされた技術を採用したA/Tタイヤです。
本格的なオフロード走行からオンロードとドレスアップまで対応するタイヤです。
タイヤサイズが81サイズあるので、4WD車だけではなく、コンパクトSUVにも対応します。
BFGoodrichタイヤの評判は?性能は高いのか低いのか【寿命】
BRIDGESTONE DUELER A/T001
オンロードとオフロードの走破性と快適性を両立したタイヤです。
A/T001専用最適配置ブロックを採用することによって耐摩耗性が向上しているだけではなく、ナノプロ・テックTMを活用したトレッドゴムを採用することによって、転がり抵抗性能をDUELER A/T694と比較して転がり抵抗性能を低減しています。
その為、低燃費性能も向上しています。
また、タイヤサイズによりますが、アウトラインホワイトレターを採用しています。
ブリヂストンのデューラーの評価はジオランダーなどと比較して悪くない?
FALKEN WILDPEAK A/T3W
様々な路面で高性能を実現したオールラウンドなタイヤです。
オフロードでは特殊なブロック形状などを採用することによってパターン剛性やトラクション性能を確保しています。
また、シリカコンパウンドやスタッドレスタイヤの3Dサイプ技術を応用することによって、ウェット性能やライフ性能を高次元で両立しています。
大手メーカーのオールテレーンタイヤの価格と評価の比較
タイヤサイズ:275/65R17で比較
価格と評価は調査時の【TIREHOOD】 でのもの
【デメリットも有り】タイヤフッドの評判は悪くない?【オートバックスの共同運営で安心】
メーカー | タイヤ名 | 価格
(1本あたり 税込) |
総合評価
(5点満点中) |
備考 |
DUNLOP | GRANDTREK AT5 | 25,080円 | 4.71点 | ホワイトレター |
BRIDGESTONE | DUELER A/T001 | 33,660円 | 2.88点
(レビュー件数:2件) |
ホワイトレター |
TOYOTIRE | OPEN COUNTRY A/T 3 | 20,130円 | 4.38点 | |
BF GOODRICH | All-Terrain T/A KO2 | 39,270円 | 4.52点 | ホワイトレター |
TOYOTIRE OPEN COUNTRY A/T 3は価格が安い
大手メーカーで価格が安いオールテレーンタイヤを購入したい場合はOPEN COUNTRY A/T 3がおすすめです。
総合評価の点数も悪いわけではありません。また、275/65R17はホワイトレターではありませんが、タイヤサイズによってはホワイトレターの商品もあります。
DUNLOP GRANDTREK AT5の評価が高い
ユーザーからの評価が高いタイヤを購入したいという方はDUNLOP GRANDTREK AT5がおすすめです。
アジアンタイヤのオールテレーンタイヤもおすすめ
オールテレーンタイヤはサマータイヤと比較すると高価になりがちですが、アジアンタイヤにもオールテレーンタイヤがあります。
ですので、価格が安いタイヤを探している方はそちらも検討することをおすすめします。
NANKANG FT-7 A/T
台湾で一番歴史のあるNANKANGが発売しているのがFT-7 A/Tです。
タイヤの剛性とコントロール性能に優れたスポーティなA/Tタイヤです。
アウトラインホワイトレターモデルのFT-7 A/T.OWLもあります。
COOPER DISCOVERER ATT
ウィスパーグルーブにサウンドバリアを形成し静粛性と快適性を向上させるだけではなく、AQUA VAC CHANNELSで耐ハイドロプレーニング現象と高張力・高密度のスチールベルトを採用することによって耐久性も向上させています。
RENEGADE AT-5
過酷な地形での走行やオンロードでも安定した走行が可能なオールテレーンタイヤです。
スノーフレークマークも取得しているので、高速道路の冬用タイヤ規制でも走行可能です。
アウトラインホワイトレターモデルのRENEGADE AT-5.OWLもあります。
アジアンオールテレーンタイヤの価格と評価
タイヤサイズ:275/65R17
価格と評価は調査時の■Autoway■ でのもの
メーカー | タイヤ名 | 価格
(1本あたり 税込) |
総合評価
(5点満点中) |
備考 |
NANKANG | FT-7 A/T.OWL | 17,750円 | 4.73点 | アウトラインホワイトレター |
アジアンオールテレーンタイヤは上記の大手メーカーのタイヤと比較してさらに安い金額で購入できるのがメリットです。
また、オートウェイは取付店へ直接配送することによって送料が無料になるというメリットもあります。
オートウェイループでのタイヤ購入は怖い?安心して購入できる理由
オフロードを走行しなくてもドレスアップにもおすすめ
また、見た目のデザインがサマータイヤと比較するとごつごつとしている為、いかにもオフロード走行性能が高そうに見えるので恰好いいです。
また、ホワイトレターというサイドウォールのメーカー名やタイヤ名などが白くなっているものもあり、ドレスアップにもおすすめです。
ドレスアップに最適。おすすめのホワイトレタータイヤ【デメリットもある】