目次
エコタイヤとは何?
エコタイヤとは現在では一般的に低燃費タイヤと呼ばれ、社団法人の日本自動車タイヤ協会(JATMA)という自動車タイヤのデーターの研究や、タイヤの基準認証制度やラベリング制度等を行っている法人が定めたグレーディングシステムで、低燃費が保証されたタイヤです。
このページでは低燃費タイヤという呼び方ではなく、一般的に浸透しているエコタイヤという名称で説明します。
※いちぶ低燃費タイヤではないエコタイヤも紹介しています。
エコタイヤのデメリット
エコタイヤは環境に優しく低燃費ですが、デメリットもあります。
それは高いグリップ性能を確保するのが難しいということです。その為、スポーツタイヤにエコタイヤが少ないです。
ただし、ヨコハマのADVAN FLEVA V701やグッドイヤーのEAGLE F1 SPORTなどいちぶのタイヤサイズを除き低燃費タイヤのラベリングを取得したスポーティータイヤもあります。
価格については一般的なタイヤと比較すると高くなってしまうという印象がありますが、近年では多くのメーカーから様々なエコタイヤが販売されているので、特別価格が高いというデメリットはないといっても良いでしょう。
近年ではエコタイヤのデメリットは少なくなっており、メリットが多い印象です。
詳しくは後述します。
ウェット性能が悪い
価格が安いエコタイヤはウェット性能が低い商品があるのがデメリットです。
雨の日でも安心して車に乗りたい方、高速道路に乗る機会が多い方は低燃費タイヤのウェットグリップ性能がaのものを選ぶことをおすすめします。
低燃費の理由
エコタイヤはタイヤの転がり抵抗を減らすことによって、低燃費を実現しています。転がり抵抗とは、進行方向の反対側に生じる力であるので、抵抗が小さければ小さいほど少ない力でタイヤが前に進むので、その分消費するガソリンが少なくなり、低燃費につながります。
抵抗が小さいとブレーキが利かない?
普通に考えると抵抗値が小さいイコール制動距離が延びるというイメージですが、最新の技術や素材を使用することによって、転がり抵抗が低くてもブレーキが利かないという不安は有りません。
それでも不安な方は下記で説明するウェットグリップ性能の等級が高いものを選んでください。
エコタイヤの等級
エコタイヤには転がり抵抗性能の違いによって「AAA」「AA」「A」の3つがあり、ウェットグリップ力によって「a」「b」「c」「d」の4段階に分かれています。
ウェットグリップとは
路面がぬれた状態でのタイヤのグリップ力です。この等級が高ければ高いほどぬれた路面でも短い距離で停止することができます。
低燃費タイヤの見分け方
エコタイヤには下のようなラベルが付いていますので簡単に見分けることができます。カタログやタイヤに付いているシールに記載されていますので、誰でも簡単に見ることができます。
左にある画像が低燃費タイヤである証明で、低燃費タイヤではないものには左の低燃費タイヤと書かれたマークはありません。
右上が転がり抵抗性能を表しており、画像では「A」になってます。右下はウェットグリップ性能で、画像では「C」となります。
画像では転がり抵抗が「C」までありますが、「B」と「C」になっているタイヤは条件を満たさないので、低燃費タイヤではありません。
等級による燃費の違い
街中や市街地、高速道路などの走行条件によって違いはありますが、等級「B」に比べて「A」は1%、「AA」は2%、「AAA」は3%向上すると言われています。
「AAA」でもたった3%だけだと思われる方もいらっしゃると思いますが、月の走行距離が1000km、レギュラーガソリンが135円、車の燃費を10km/lとすると、月に405円の節約になります。年間では4860円の節約になり、4年間同条件だとすると、19,440円という大きな金額がお得になります。さらに燃費の悪い車や、ハイオク車だとさらにこの金額が大きくなり、お得になりますので、エコタイヤに交換するメリットがあるといえます。
ウェットグリップ性能も重要
低燃費タイヤの基準を満たすタイヤのウェットグリップ性能はa~dまであります。aの方が濡れた路面のグリップ力が高いです。
エコタイヤの寿命は短い?
エコタイヤではないノーマルタイヤでは、走行距離が約3万km、製造から4年程度が交換時期(寿命)となっていますが、エコタイヤだからといって特別寿命が短いとうことはありません。そればかりか、タイヤの構造や素材によりエコタイヤの方が寿命が長い製品は多くあります。
エコタイヤは高い?
エコタイヤは転がり抵抗抵抗を減らしたり、その中でウェットグリップ性能を稼ぐために、最新の技術と素材を使用して作られています。その為、高いというイメージがありますが、実際価格は高いのか比較してみたいと思います。
現行のプリウス(DAA-ZVW50,51,55)の17インチモデル(サイズ215/45R17)で比較
価格は調査時の最安値を表示しています。
タイヤ名 | 価格(1本) | 低燃費タイヤ |
Playz PX | \18,900 | ○ |
REGNO GRVII | ¥18,180 | ○ |
REGNO GR-XI | ¥19,480 | ○ |
ECOPIA NH100 | ¥17,950 | ○ |
NEXTRY | ¥10,000 | ○ |
POTENZA Adrenalin RE003 | ¥17,986 | × |
POTENZA RE050A | ¥16,800 | × |
POTENZA RE050 | ¥26,300 | × |
エコタイヤだからといって特別高いわけではありません。それよりもエコタイヤ同士での価格差も結構あるので、予算と使用目的に合ったタイヤ選びが必要です。
エコタイヤの性能を最大限に発揮するために適正な空気圧に
せっかくのエコタイヤでもタイヤの空気圧が低いとそれだけ抵抗が増して、燃費が悪くなってしまいます。
かといって空気圧は高くしすぎても、地面との接地面積が減りすぎて、走る、曲がる、止まる性能に悪影響を与えたり、編摩耗や寿命が短くなったりしますので、空気圧は定期的に確認して、適正な空気圧に調整しましょう。
普通自動車対応おすすめのエコタイヤ(2021-2022)
エコタイヤは転がり抵抗の性能が高いと、低燃費につながるのでそこばかり目が行きがちですが、安全のためにはウェットグリップ性能も当然重要になってきます。
ブリジストン ECOPIA EP001S
最新のポリマーや、コンパウンドを使用することによって、今まで技術的に不可能とされていた、転がり抵抗とウェットグリップ性能が両方とも最高ランクを取得したタイヤです。
さらに前のモデルのECOPIA EP100Sも転がり抵抗係数は「AAA」でしたが、ECOPIA EP001Sはさらに3%転がり抵抗を軽減しています。
デメリットとしてはタイヤサイズが205/55R16と195/65R15の2種類しかないので、装着できる車種が限られてしまいます。195/65R15はプリウスの廉価グレードの純正サイズやステップワゴン、アクセラスポーツ、インプレッサ、ゴルフ等がこのサイズを装着しているグレードがあります。205/55R16だとグレードにもよりますが、レクサスIS、アイシスなどが装着可能です。
ラインナップが少ないので、タイヤラインナップが無い車種にはECOPIA NH100シリーズやEP150,EP25をお勧めします。NH100シリーズでもNEXTRYと比べてウェット性能と、ライフ性能の向上を実現しています。
ブリヂストン NEXTRY
NEXTRYはブリヂストンの低燃費タイヤのなかで価格が安いので購入しやすいのがメリットです。
タイヤサイズも全71サイズあるので、普通車以外にも軽自動車やSUVなど装着できる車種も多いのでおすすめです。
但し、ウェットグリップ性能はcなので、雨の日での高い性能が欲しい方にはエコピアやプレイズシリーズをおすすめします。
ヨコハマ BluEarth-Es ES32
ヨコハマのECOSは累計で3000万本以上の販売を記録している大人気モデルですが、その中でも最新の技術で低燃費タイヤとして発売されたのがECOS ES31です。
そのECOS ES31の後継がこのBluEarth-Es ES32です。
低燃費性能に優れ、スタンダードタイヤの為、多くの車種にマッチするタイヤです。
ダンロップ エナセーブ EC204
前モデルEC203に比べて、新しい素材や、トレッドパターンを採用することによって、耐摩耗性能は4%低減しており、耐偏摩耗性能は16%向上しています。
耐摩耗性能が向上することによってタイヤが長持ちになり、トータルコストを安く済ませることができます。
トーヨー NANOENERGY3 PLUS
新しい素材を使用することによってNANOENERGY3よりウェット制動距離が13%も向上しており、等級が「c」から「b」に向上しています。また、ラインナップも67種類もあり、軽からSUVまで幅広い種類の車種に対応しています。また、素材とパターンの工夫により、操縦安定性も向上しています。
軽自動車対応のエコタイヤ
メーカー | タイヤ名 | 転がり抵抗係数 | ウェットグリップ性能 | 備考 |
ブリジストン | ECOPIA NH100 C | A | b | 軽自動車およびコンパクト専用 |
ブリジストン | ECOPIA EX20C TYPE-H | A | b | トール型軽自動車専用 |
トーヨー | トランパスLuK | A | c | 軽自動車用、ワゴンタイプにお勧め |
トーヨー | ナノエナジー3 | A | c | 軽自動車からセダンまで幅広いラインナップ |
軽自動車向けおよび専用のエコタイヤが販売されています。
車高が高いトール系でもふらつきにくくなっていたりとメリットがあるので、軽自動車に乗っている方には是非検討することをおすすめします。
アジアンタイヤのエコタイヤは安くて安心
アジアンタイヤは安くても性能が悪いという思い込みがある人もいると思いますが、決してそんなことはなく、ネクセンのN blue HD Plusは日本自動車タイヤ協会のラベリングを取得している低燃費タイヤですし、ユーザーの評価もオートウェイで5段階中4.3という高評価を得ており、評判も高いです。
また、ラベルは取得していませんが、ナンカンのECO-2+等は評価も高く、高い燃費性能を実現しています。
185/65R15サイズで人気のエコタイヤ比較(価格はオートウェイ)
メーカー | タイヤ名 | 価格(1本) |
ナンカン | ECO-2 + | \4,350 |
ネクセン | N blue HD Plus | \3,880 |
ブリジストン | Ecopia EP150 | \5,490 |
グッドイヤー | GT-Eco stage | \4,990 |
ヨコハマ | BluEarth AE-01 | \6,490 |
国産タイヤじゃなくてアジアンタイヤでも大丈夫という方には、コストパフォーマンスの高いネクセンのN blue HD Plusをお勧めします。ユーザーの評価も5段階中4.3とそこそこ高い評価を得ています。
※ナンカンのECO-2+は低燃費タイヤのラベリングを取得していません。
とにかく転がり抵抗性能の高いエコタイヤや欲しい方
メーカー | タイヤ名 | 転がり抵抗係数 | ウェットグリップ性能 | タイヤサイズ |
ブリジストン | ECOPIA EP001S | AAA | a | 205/55R16 195/65R15 |
ヨコハマ | BluEarth AE-01F | AAA | c | 全19サイズ |
トーヨー | ナノエナジー0 | AAA | a | 195/65R15 |
ダンロップ | エナセーブ NEXTⅡ | AAA | a | 195/65R15 |
トーヨー | ナノエナジー2 | AAA | c | 14インチから18インチまで9サイズのラインナップ |
ダンロップ | エナセーブ PREMIUM | AAA | c | 155/65R14と215/45R17以外の12サイズ |
ウェットグリップ性能「a」のタイヤは上記4種類ありますが、タイヤサイズが少ないため、サイズが対応していない場合は、ナノエナジー2とエナセーブ PREMIUMがサイズが比較的多いので、大抵の車には装着できそうです。
まとめ
タイヤをエコタイヤに交換することによって、低燃費になり、ガソリン代を節約することが出来るばかりか、CO2排出量の削減など、環境にも貢献することができます。